『シンゴの旅ゆけば~!(122)シャフ・シャウエンで歌舞伎町を見る⑦』

ちゃんとメガネも持って、何の映画だろうと考えながら(意外にアニメかもしれないとかね…。)カフェに行ったのだけど、いつもの常連に加えて、見たことのない連中もたくさん来ていた。

日本人と日本映画を見る会みたいなものか…?

映画が始まったのだけど、タイトルを見た瞬間に、これはヤバいことになったと思ったのよね。

『殺し屋1』なんだけど、まさかモロッコで歌舞伎町を見ることになろうとは…。

血は吹き出まくるし、拷問シーンはあるし、浅野忠信は裂けた口をピアスで留めているし(タバコを吸って口の裂け目から煙を吐き出すし)手足は飛ぶしで、監督が三池崇史なんだから、まぁそれはそうなのだろうけど、なぜわざわざこれを選んだのだ、モロッコのテレビ局は?

大人の男はまぁ、ちょっとエロいシーンもあるから、食い入るように見ているのだけど、子供たちの多くは途中で帰ってしまった。そりゃそうよね。

まぁ別に俺が悪いことをした訳ではないのだけど、何だかいたたまれない気持ちになってきた。げんなりする。

言葉は知っていても、なかなかそういう状況になることってないと思うのだけど、全くもってげんなりした気分になった。

映画が終わって、みんな無言で帰って行ったり、お茶を飲んだりしていたのだけど、新しいミントティーを持ってきてくれたカフェの兄さんがこう言った。

日本って、大変なところなんだな。シンゴ、このままモロッコに残ったらどうだ?

いや、違うから。あれは映画だから。そりゃまぁ歌舞伎町は現実にあるけど、あんなじゃないから。そう説明してみたのだけど、お互いの英語力ではうまく通じなかったのよね。

しかしなぁ、なんでまた『殺し屋1』?