『シンゴの旅ゆけば~!(97)ハワイ島の不思議な石④』

キラウェア火山の火口のすぐそばにあったジャガーミュージアムだけど、その後ハワイ島に行った時は閉鎖されていた。たぶん今も閉鎖されていると思う。キラウェア火山が大規模な噴火をしたからなのだけどね。入っていいところから、ジャガーミュージアムの建物を見ると、こりゃ下手すりゃ火口に落ちるんじゃないかってくらい、建物の土台あたりがえぐれていた。火口の形も変わってしまっていて、やっぱり噴火って凄いと思う。

まぁ、まだその噴火がある前のジャガーミュージアムの駐車場で、ロミロミの達人に整体をしたのだけど、片方の足を持ち上げるだけでも肩にずしっとくるのよね。たぶん130キロとか140キロとかあると思う。

まぁそれでも人間の足なので、普通サイズの人と構造は同じなわけだ。当たり前のことだけどね。それで時間をかけて筋肉をゆるめていくと、結構調子よくなってきた。

俺のインチキな英語で話をしながらやっていたのだけど、その日の夜中に見たもののことを話すと、ほぉ~っと言って身を乗り出してきた。いや、整体してるんだから、起きるなよ。

泊まっていたホテルの庭みたいなところに、海に突き出たような木造の建物があって、祠みたいな場所だと思う。時差ボケなのか夜中に目が覚めてしまって、その辺りを歩いていたのよ。そうしたら、大勢人がいた。上半身裸で体格がいい男たちがゾロゾロ集まっていて、なんだか殺気だった雰囲気だったから、これは何かヤバいな、何かの儀式をやっているんだろうなと思って近づかなかった。まぁだいたい危なそうなところからは遠ざかるっていう、勘の良さだけは持ち合わせているのよね。

そりゃご先祖さまたちだよ。達人は言った。あそこはな、戦いの前の儀式をする場所だったんだ。近づかなくて正解だったな。