とまぁ、俺の整体のやり方を説明しようとすると、何だか胡散臭い方向に進んでいってしまうのだけど、事実なんだから仕方ないのよね。
持って生まれた身体の傾向…こういうことを考えると、インドで習ったようなことをイメージしてしまうのだけどさ。
神さまがいて、じゃあシンゴくん、今回はあなたは怒りっぽい性格で腰を悪くしやすいキャラで生まれてもらうけど、ちゃんと勉強してきなさいよ。運がよかったら悟れるかもしれないからね。
じゃあ~ねぇ~っ!
そうやって生まれてくる。
だからまぁ、性格の根っこは基本的には変わらない。
それにさらに子供時代の経験や、どう育てられたかみたいなので、物事に対する考え方というのが決まってくる。
自分で自分にかけてしまった呪い(この世界は本当に恐ろしいところだから、できるだけ隠れていよう…とかね)みたいなのが出来上がってしまって、それも身体に影響していることが多い。
そういう意識を探っていって、施術をする。
最近は癒着って怖いなぁって思っているので、癒着しているポイントを見つけたら剥がす。
まるで道に誰かが吐き出したガムみたいにこびりついている癒着もあるし、石灰化というのだけど、石みたいになってしまってそう簡単には剥がせないケースもあるのよね。
筋肉も、もうあんたいい加減ゆるみなさいよと言って聞かせたくなるくらい緊張していることがあるし、どうしてそっちにそんなにズレたのよって骨もある。
だからまぁ、お客さんと話をしながら整体をしているのだけど、ぼーっとした状態の中で、筋肉やら骨やら癒着やらと話をしているような感じではあるのよね。
いや、こんなこと書いてお客さんが来なくなるということはないかと不安になってきたぞ…。
頭がおかしくなった訳ではないからね。
そりゃまぁ、お客さんという人格というか、お客さんが自分は自分だと思っているお客さんに対しての敬意を持つことは当たり前のことなのだけど、同時にお客さんの身体とか無意識とか、普通はあんまり意識を向けていないような何かにも、敬意をはらって接する。
それを説明しようとすると、こういうことになるのよね。
俺は整体を教えたりはできないけど、いい職業だと思うのよ。人の身体って面白い本を読んでいるようなのよね。