もちろん解剖学的なことも勉強しなければいけないし、指先の感度を上げるとか、整体を仕事にするのだったら、結構やらなきゃいけないことは多いと思うのだけどね。
一番大事なのは、実は見立てなのではないかと、最近は思っているのよ。
俺の場合は、一生懸命考えてというタイプではないので、脈診と腹から感じ取った情報を、こうかな、ああかなって考えるというよりも、ふむふむ、そうなのね。
じゃあ指に任せようって感じになっているのだけど。
これはまた説明するのが難しいのだけど、う~む。頑張って書いてみます。
例えば、何にだってセオリーってのはある。東洋医学や西洋医学、整体にだってセオリーはある。
腰が痛いですと言われる。
どこに行っても治らないんですとも言われる。
だけど、よくよく話を聞いてみると、整体だろうが鍼灸だろうが、行ったときは少しは改善するのだけど、ほんの数日で元通りの痛みが出てくるということが分かる。
セオリー通りにやるのだったら、どこに問題があるのかをテストして、ああ、これは腰方形筋だなと思ったら、そこをゆるめる。
あるいは尻や足の筋肉、仙腸関節をゆるめる。これは意識的にやっている。
セオリーってのは、囲碁で言えば定石みたいなもので、だいたいこれで良くなるって流れは決まっているのよね。
でも、脈診や腹診をやって、何だか怒りやすい人なんだろうなぁって感じていたりすると、じゃあ肝臓に対するアプローチもやっておこうってことになって、そのあたりからあんまり考えなくなってくる。
指が動くように任せている感じというのかな。それで指先がふと筋肉の癒着に触れる。というか、もう感じたときは指先さんはその癒着を剥がしにかかっている。
お、よくなってもすぐぶり返す痛みの原因1.はこの癒着だ。
ピンポイントで剥がそうってことになる。技術的に面倒な位置がくっついていたりすると、結構時間がかかるのだけど、お客さんと話しながらあれこれやっているうちに、ふっとアルコールの匂いを感じる。
朝の10時に酒の匂い?
これで、ああ習慣的にきっと深酒していて、酒のせいで腰痛がぶり返すっていう原因2.が分かる。
じゃあ長く持たせようと思ったら肝臓をやるしかないなぁと考える。