『シンゴの整体(36)駆け出しの頃⑤』

後になって、アメリカの医学関係の本を読んでいたら、興味深いことが書いてあったのよ。

自己免疫疾患やガンになる方たち(特に年齢が若いのにそういう病気にかかる方たち)には何となく共通の性格があるんじゃないかと、医師や看護師さんたちが感じていたそうなのね。だけど、じゃあどういう性格なのと聞かれても、真面目な感じとか、なかなか言葉にするのが難しかったらしい。

それを研究した大学があって、結論はそういう性格はあるらしい。

①自分が我慢をしたら、家族が、あるいは職場が、人間関係が…うまくいくのであれば、自分が我慢をすればいいと考えてしまう。

②我慢をしているのだから、誰かに愚痴を言うとかしたらいいのに、さも全てうまくいっているように振る舞ってしまう。

この2つの性格がどうも病気を作るようなのだけど、リウマチの方たちに感じた真面目さと言うのも、これと似通っているのかもしれない。

面白いなぁと思って、あれこれ本を読んでいたのだけど(なんてったって、その時は本屋でアルバイトしていたからね)怒りという感情が腰痛を引き起こすとか、そういう感情と疾患の関係を前提として腰痛治療にあたっている医師がアメリカにはいるとか、勉強になることがたくさんあって、そういえばインドで習った感情と臓器の関係と同じだなとか、毎日こうかもしれないと思ったことを、お客さんの身体で確認させてもらうというのを繰り返していた気がする。

だからまぁ、今の整体の技術があるのは、駆け出しの頃にお世話になったお客さんのおかげだし、今だって毎日新しい発見がある。なんかこのピリピリくる固い感じはなんだろう。目の奥に何かあるんだけど…そう指先に感じたら、ステントだったとかね。

お客さんから教わるということは、本当にたくさんあって、それはまぁ仕事でやっているからお金はいただくのだけど、ありがたいなぁと思っていた。毎日楽しかったしね。

そもそも、俺が経験した世界一の整体という訳ではないのだけど、ああいうのがいいなぁといつも思い出すことがあるのよ。

タイのプーケットのそばにピピ島というのがあるのだけど、そこのロング・ビーチであった話だ。