『お正月の過ごし方②』

お正月だからと言って、何か特別なことをする訳でもなく(温泉には行きましたけどね)氏神さまに初詣に行って、新しいお札を買ったことと、お雑煮を作ったくらいしか、お正月らしいことはしていないのですけどね。今年はお節料理も作りませんでしたし。

でもまぁ、休暇ではあるのですから、まとめて本を読むとか、映画を見にいくとか(お正月休みって、なぜか映画館はすごく混むのですよ)いつもと同じペースで生活をしていたのですけど、ちょっと興味深い本を読んだのですね。

『デジタル生存競争』という昨年末に話題になった本なのですけど、冒頭の「はじめに」の部分からして、もう面白いのです。

著者のダグラス・ラシュコフ(デジタル技術に関する専門家です)は、ある時1年分くらいの報酬を提示されて、講演会を依頼されます。

飛行機はビジネス・クラス。空港に着いてみると、周りは砂漠しかないような場所だったそうです。
具体的な場所は隠されていますけど、中東あたりなんでしょうね。

そこで3時間以上リムジンで移動して、富裕層専用のリゾート地に着きます。まさか砂漠のど真ん中に、こんな立派なリゾートがあるなんて…そう感じるような場所ですけど、世界にはこういう場所がたくさんあるそうですよ。

専用のコテージに宿泊して、翌日講演をしに行くのですけど、講演会に集まっていたのは、たったの5人です。

明らかに富裕層のその5人は、詳しい素性は明かさなかったそうですけど、要は彼らの質問にダグラス・ラシュコフが答えるという形の講演をすることになるのです。

彼らは、自分たちが世界の富を集めることによって、自分たちのような一握りの富裕層と、その他大勢の貧困層に分かれることを「当たり前」としている。
その富を集めていく過程で環境を破壊し、飲み水や食べる物の心配が発生することも「当たり前」としている。そうなることは分かっているということですね。

だから富と飲み水、食べ物を確保して、自分たちだけ生き残ることのできる、ある種のシェルターを建設している。あるいはそういうシェルターを扱っている専門の企業もある。

ところがですね。

彼らは言います。

誰も信じられない世界になったら、自分を警備するスタッフにいかにして忠誠を誓わせられるのでしょうか?