映画が好きなのは知っていましたけど、アニメもご覧になるんですね。
最近『ルックバック』が素晴らしかったという話ばかりしているのですけど、そう言うとかなりの確率でそう言われてしまいます。
いや、確かにアニメが苦手だなぁと感じていた時期はありましたけど、人間の俳優が演じている映画とは別の見方をするための回路がつながったというか、楽しみ方が分かったというか、最近は結構アニメ映画も見ています。『鬼滅の刃』も『シン・エヴァンゲリオン』も見ましたよ。
全く何の知識もないまま、直感でチケットを買った『ルックバック』ですけど、『ワンライフ 奇跡が繋いだ6000の命』の時のように涙が止まらなくなるタイプの映画ではないのですね。なんだかじんわりと、涙という形は取らないけれど(泣いている方は多かったですけどね)感情が揺さぶられているのが分かるという、ちょっと複雑な心境になったのです。
映画のラストに喚起させられた感情は、ある意味ではすごく日本的だと思いました。エンドロールを見ていて小津の『東京物語』を見た後の気持ちに似ているように感じたのですね。
例によって、良いものを見たという感慨は、ちょっとだけアルコールという流れになるもので…赤ワインを飲みながら、あれこれ思いを馳せていたのですけど、たどり着いたのはハイデガーの『存在と時間』だったのです。自分でも意外だったのですけどね。