『問いとは何かを問う?①』

エジンバラ大学のラニ・ワトソンが2021年に発表した論文の要約を読んでいて、なるほどなぁと膝をうったのですよね。

Watson, L. (2021). What is a Question. Royal Institute of Philosophy Supplements, 89, 273-297.

こちらの論文なのですけど、タイトルは「問いとは何だろう」なのです。それはまぁ、哲学の歴史といったら問いの連続な訳です。時間とは何かとか、生きているとは何か、存在とは何か、人間とは何か、言語とは何か、そういう問いに答える形で哲学は発展していったのですけど、肝心の「問い」というのがそもそも何かということについては、誰も問うことがなかったのですね。

ラニさんは、「問いとは何か?」を「問いの問い(Question Question)」と呼んでいます。彼女がQuestion Questionを解いていくやり方が、なかなかに現代的で面白いのです。

この文章に問いは含まれていますか、いませんかということをインターネットユーザーに質問してみる。彼女はそうやってQuestion Questionに迫っていきます。

例えば「ベジタリアンのサラは、友達のために家の近くの肉屋を探そうとして、「地元 エジンバラ 肉屋」とグーグルに打ち込み、場所をメモする」この文章を提示して、意見を聞いてみるのです。さて、あなたはどう思うでしょうか?