『火あぶりにされたサンタクロース①』

楽しいクリスマスだったでしょうか?

さすがにもう私のところへはサンタクロースはやって来てくれませんから、イブの夜はいつもと同じように過ごして、クリスマス当日になると、ああ今頃アメリカじゃ大バーゲンになっているんだろうなと考えていました。

凄いですよ。半額なんてあたりまえで、8割引なんて値札が付いていますから。

何のバーゲンかと言ったら、クリスマスの飾り付けであるとか、生のモミの木なんですけどね。

来年のクリスマスのために買っておくかと言うことで、これが結構な勢いで売れていくんですよ。

ちなみに、アメリカの家庭だと生のモミの木を飾ることが多いのですけど、驚くほど水を吸うんです。

ちゃんと水をあげておかないと、乾燥して火事の原因になることもありますから(電飾が嫌というほど付いていますからね)それだけは注意しないといけないんです。

アメリカ人って、どうしてこんなにクリスマスに情熱を燃やすのだろうと、クリスマス・シーズンになるたびに思っていたのですけど、そういうドタバタから離れて、夫婦2人で旅行にでも行こう。

今年のクリスマスはスキップすると決めていたのにも関わらず、南米でボランティアをしていた娘が急に帰省すると連絡してきた。

アメリカのクリスマスを婚約者に見せてあげたいとか言っている。これはマズい。

そこから始まる騒動が描かれているのが『スキッピング・クリスマス』という本なのですけど、著者はなんとジョン・グリシャムです。

法廷ものを得意とする作家で、もともと弁護士をされていたそうです。トム・クルーズ主演の『ザ・ファーム 法律事務所』の原作者ですね。

その彼がどうしてまたクリスマスのコメディめいた本を書いたのか…まぁ面白いからいいんですけどね、これはおそらくアメリカ人なら、ああ、そうだよなぁ、こういうことあるよなぁという気持ちで読むでしょうし、日本人だったら、アメリカのクリスマスってこんなに大変なのかと思うはず。

ディナーに招待された教会の神父さんが、まるで家庭訪問でもしているみたいに、各家庭を回るとか、ツリーの飾り付けコンテストに命をかけている住人とか、聖歌隊が軒先にやって来て歌うとか、まぁスキップしたい気持ちというのは本音ですね。

たぶん…。