Wikipediaには「ハロウィンとは、古代ケルト人が起源と考えられている祭のこと。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であった」と書かれているのですけど、それがなぜか世界中に広まって、日本でも竹の筒を咥えて女の子が歩き回るなんていうことになっている訳です。
もともと冬至を祝う祭りだったものに、イエス・キリストの誕生日や聖ニコラスの伝承が融合したものがクリスマスなのでしょうけど、今のように北極から白髭のサンタクロースがソリに乗ってやってきて、彼はホーホーホーと笑う…そういうイメージが作られたのはアメリカなのですね。
同じように、どうも今のハロウィンというのもアメリカで生まれたものらしいのです。スミソニアン博物館発行のスミソニアン・マガジンというメディアがあるのですけど、2017年10月29日付の記事を読んで、アメリカ人の私だって知らないことばかりで驚いたのですね。
「ハロウィンは、2000年ほど前に、ヨーロッパ北西部のケルト諸国で生まれる。民間伝承によれば、ハロウィンの日には「善と悪の両方の精霊」が「現実にできる地割れ」から解放され、社会に影響を与えるとされた。
◯ハロウィンは 18世紀にアメリカに移民と共にもたらされる。
◯19世紀になると、都市化と格差の広がりの中で、ハロウィンは次第に子どもたちの無軌道の場として、破壊、爆破、略奪が繰り広げられる日となる。
◯20世紀に入り「ハロウィンを改正、あるいは廃止」する動きが出てくる。
◯同時に、テレビ・ラジオを使って「ハロウィンは暴力の場ではなく、大人と子どもが仲良くする日だ」という喧伝が始まる。
◯その中で、キャンディを子どもが求め、大人が与えるという穏やかな儀式を「トリック・オア・トリート」と呼ぶことにするという当局と企業とメディアでの喧伝運動が始まる。ハロウィンが莫大な利益を上げる場になる可能性を知り、多くの企業が「トリック・オア・トリート」キャンペーンに参加。
◯これらが今につながり、現在のハロウィンに。」
え、トリック・オア・トリートって、大昔から言われている訳じゃないの?それも政治主導だったとは…。
でも、記事の先を読むと、そうせざるを得なくなった事情というのがわかってくるのです。どうも、100年ほど前のハロウィンというのは、大人と子供の戦争だったようですよ。