『言葉についてのあれこれ③』

もう一つ最近言葉についてすごく気になったのは「クロード・レヴィ=ストロース」という表記なのだけど、そういえば「ジャン=リュック・ゴダール」もそうだし「ジャン=ポール・ベルモンド」もそうだけど、名前の表記になぜ「=」が使われているのかということを疑問に感じたのよね。

レヴィとストロースは同じですなんてことにはならないだろうから、
きっとイコールとではないのだろうとな思っていたのだけど、やっぱりイコールではないそうだ。


例えば、「クロード・レヴィ=ストロース」をフランス語で綴ると「Claude Levi-Strauss」になるのだけど、人名の「-」で繋いでいるところを日本語表記する際に「=」を使うというルールがあるのだそうだ。これは「イコール」ではなく「ダブルハイフン」と呼ぶそうです。

では、フランス語の「-」が何を表しているかというと、
キリスト教の聖人や聖書に出てくる人名と名前を「-」で繋いで表記する
複合名を名付けられている方がフランスには多いらしい。

Leviは聖書に登場するヤコブの子で、レヴィ族の祖にあたる人物なのだけど、
レヴィ=ストロースはユダヤ系の人なので、もしかするとレヴィ族なのかもしれない。確か中沢新一の本に書いてあったと思うのだけど、初めてパリに行った時リーバイスのジーンズの広告を見かけて、さすがに構造主義の国だなぁ、レヴィ=ストロースがポスターになっていると思ったそうだ。

リーバイスの創始者リーバイ・ストラウスはアメリカにドイツから移民したユダヤ人だけど、確かに綴りはレヴィ=ストロースと同じになる。ただ、ジーンズの方はストラウスが姓で、クロード・レヴィ=ストロースはレヴィ=ストロースが姓だから、全く違う姓なのだけどね。

この表記の仕方はフランスに多いそうだけど、他の国にあるのかどうかは分からない。アメリカで見かけたことはないように思う。フランス人の男性名は圧倒的にジャンが多いし、女性も圧倒的にマリーが多いそうだから、同姓同名を避けるために複合名というのがあるそうなのだけど、
最初から別の名前を付けたらいいのではと思う。

ちなみに私の名前のジルは、アメリカではかなりポピュラーな名前で、
Julianという聖人名の女性系が由来になっているそうなのだけどね。
バイデン大統領の奥さまもジルですね。