『10000時間仮説④』

自己承認という概念があります。

自分自身を自分でどう評価しているか?

見た目であるとか、年収、学歴、社会的な地位、インスタのフォロワーが何人いるかなんて要素については、自己承認ではなく自己評価という別の概念なのですね。

では自己承認とは何かというと、自分を認めているかどうか、つまりシンプルに言ってしまえば自分を好きかどうかということになります。

自己評価も高い。自己承認も高い。
もしあなたがそうであれば、それは素晴らしいことなのですけど、世の中にはいろいろなタイプの方がいます。

自己評価は高い。
だけど、自分のことを好きになれない。
世間からは凄いと言ってもらえるし、フォロワー数も多い。
でも自分が嫌いということですね。

自己評価は低い。
自分なんてダメダメだと思っている。
でも自分を大好きという自己承認がやけに高い方もいます。

もちろん自己評価も、自己承認も低いという方だっているでしょう。

自己評価は自分の努力次第で上げることも可能なのですけど、自己承認については難しいですね。

自分を好きかどうかというのは、自己評価とは無関係なのですから…

つまりそれは根拠がないということです。

根拠がないのに、自分を好きだったり、嫌いだったりする。

心理学での定説となっているのは、養育者から無根拠に愛されたかどうか、許容されたかどうかが、自己承認を左右することです。

自分がどういう人間なのか…というよりも、自分がどういう行動をとるのか、10000時間を超えるトレーニングを経た経験を持つ者であれば、そのジャンルについては自分を(自分の無意識を…と言ったほうが正確ですね)信じることができる。

もちろんそれ以外のジャンルについては一般人と変わらないでしょうから、羽生名人が大谷選手のようにバットを振ることはできないかもしれない。

まぁ、できないでしょうけど…それでも特定の時間は、無根拠に自分を信じることができるという経験を持つことは、自己承認を上げることにつながるのではないかと思うのです。

ダックワース教授によれば、「やり抜く力」が高い者は、たとえジャンルが変わっても、粘り強く取り組むことができ、社会的な成功を勝ち取る可能性が高いそうです。それにはメンタルが安定しているという特徴も含まれているのでしょうね。