夏休みの代わりと言ってはなんですけど、夏季休暇を取らなかったものですから、この時期に休みをいただいて、和歌山県新宮市に行ってきました。
目的は玉置神社に参拝することなのですけど、地元の方から玉置神社というのは熊野三山と総称されている神社(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)の奥宮という位置付けなので、まずは熊野三山にお参りしてから玉置神社を参拝することが望ましいという話を聞いたのですね。
それでかなりの強行軍にはなったのですけど、まずは熊野三山、それから玉置神社を目指しました。
そもそもなぜ玉置神社に興味を持ったかというと、これも新宮市出身の方から聞いた話なのですけど、江戸時代には日本で唯一狐憑きを落としてくれる神社と玉置神社は言われていたそうなのです。実際に玉置神社のホームページを見ても、摂社である三柱神社について以下のように書かれています。
「厄除けや心願成就さらに精神の病(ノイローゼなど)また海上安全にも特別の霊験があるとされています。」
観光地になっているとはいえ、元々山岳修験の場ですからね、熊野那智大社の石段でかなりきつい思いをして、速玉神社が市内にあって高低差がないことにホッとしたのも束の間、本宮大社もまた急な石段の上に拝殿があるのです。だけどね…そこまでの疲労というのは序の口で、玉置神社の急坂には殆まいってしまいましたね。翌日は足が筋肉痛になりましたから。
そこまでして玉置神社に行きたかった理由は、狐憑きという事象なのですね。今で言えばメンタルの病気を患った方を説明する言葉として使われていた狐憑きという言葉ですけど、日本には長い歴史があるそうなのですね。
最初に狐憑きについて書かれたのは『日本霊異記』と言われているそうなのですけど、こちらは平安時代初期に成立したと言われています。欧米には似たような現象で悪魔憑きというものがありますけど、何かしら精神が正常ではなくなった者に対して、その原因として超自然的な何かが憑依したという考え方というのは、憑依するものに違いはあったとしても、人類に共通の認識だったのだと思うのです。