『フォレスト・ガンプ』には名シーンが多すぎるくらい多いのですけどね。
エビ漁をしているダン中尉が、嵐の中で悪態をつくシーンも忘れられません。
「神さまはどこへ行っちまったんだ。どうした?こんなのは嵐じゃないぞ。もっと荒れろ。決着をつけようじゃないか、あんたと俺でな。」
ダン中尉は自分の足を失うという運命に対して、部下を死なせて自分が戦争で生き残ってしまった運命に対して、神さまに悪態をつくのです。
嵐が去った後、あれほど自分を助けたガンプに対して文句ばかり言っていた中尉ですけど、ガンプにこう言います。
「まだ礼を言っていなかったな、助けてもらった」
映画にはガンプのナレーションが入ります。
「何も言わなかったけど、中尉はその時、神さまと仲直りしたんだと思う」
ラザロは友達を助けられなかった。神さまと和解させてあげることができなかった。
そういう意味で、この寓話はより現実的な形で、私たちの世界を表象しているのかもしれない。
隠れ家にしている小屋でコーヒーを飲まないかと、友達を誘うラザロ。再会した彼を誘う言葉も、コーヒーを飲まないか…なのですけどね。
映画が終わって、台風の風雨が一時的に強くなってきたことに気づいたのですけど、ベランダの洗濯竿は片付けてあるし、窓ガラスが割れるような心配もなさそうなことを確認してから…お湯を沸かしました。コーヒーを淹れるためにです。
この文章は、コーヒーを飲みながら書いています。