A 今すぐ100万円をもらう。
B コインを放り上げて、表が出たら200万円もらえる。裏が出たら何ももらえない。
あなたなら、どちらを選びますかと問われたら…ほとんどの方はAを選ぶと思います。人間には、得をすることよりも、損することを嫌うという傾向があるのですね。
カウンセリングの現場でも、この損失回避傾向に邪魔をされることがよくあります。
クライアントは、そうは言ってもカウンセラーによく思われたいというバイアスが働いてしまうものだからですね。
自分にとって大切な人を3人。
自分にとって大切な物を3つ。
この先自分がやりたいことを3つ。
そう質問するときに、英語で書いてもらうというテクニックをよく使います。スマホの和英辞典を使ってもオーケーです。
これは、第2言語による思考で導き出した結論は、合理的であることが多いからです。
他国の言語を話すときは「口から出まかせ」が出にくくなるので、熟考された答えを導きやすいのです。プロスペクト理論を回避する方法の一つですね。
ちなみに、9枚書いたものから、どれでもいいので3枚捨てます。ぐしゃっと丸めて、ゴミ箱に放り込んでもらいます。
続けて、また3枚捨ててもらいます。残りは3枚です。
残り3枚のうち、1枚を捨てます。
本当に大切なもの、必要なものが見えてきます。
残りは2枚です。
このうち、1枚を捨てます。
この選択にはもっとも時間がかかります。
最後の1枚。
これを捨ててもらいます。
ほとんどの方は、かなり動揺されます。
最後の1枚を捨てた時、世界の底が抜けてしまったような、寂しさを感じられる方もいます。涙を流される方もいます。
これが「死」というものです。
死にたいと思っていたけれど、死ねない自分にはっと気がつかれる方もいます。
撮影カメラマン 松原充久