『シンゴの旅ゆけば~!(106)夜這い棒の話②』

世界一の親日国といったら、俺はパラオだと思っているのだけど、今でも日本語を話せる高齢の方たちもいるし、前に泊まったホテルのボーイさんは、ネームプレートに「SUZUKI」と書いてあった。いや、パラオ人なんだけどね。

話を聞いてみると、自分の祖父母がお世話になった日本人の名前をつけてもらったそうで、それはいい話だと思うのだけど、問題はその「SUZUKI」って彼のファーストネームなのよね。だから、彼のフルネームは苗字が2つあるような塩梅になっている訳で…まぁ、そんなことは彼には話さなかったけどね。

そのパラオという国なのだけど、歴史的に一妻多夫だったそうなのよ。つまり、奥さんが1人で旦那さんが複数いるという結婚の方式のことね。

俺の知っている限りでは、一夫多妻ってのはアラブの国をはじめとしてたくさんあると思うのだけど、一妻多夫というのはネパールで話を聞いたことがあるくらいで、それ以外にはパラオしか知らない。

相続も、長女相続といって、家の財産は全て長女が相続して、他の兄弟姉妹には全く相続権がなかったそうだ。もちろん今はそんなことはなくて、一妻多夫制を続けている方は少ないそうだけどね。パラオでお世話になった日本食レストランで働いていた女性が、複数のご主人がいてビックリしたっていう話は聞いたけど。

一妻多夫制があたりまえだった頃の結婚式の写真を見たことがあるのだけど、女性は上半身裸のまま結婚式が行われている。つまりトップレス結婚式っていうことだ。何番目のご主人なのかは知らないけど、確かに俺の見た写真には、花婿の席に複数の男性が座っていた。

そんなパラオで聞いた話なのだけど、どうもパラオには、新しい夫と女性が知り合うときに「夜這い棒」というのを使ったそうなのよね。