『シンゴの整体  突発性難聴の話③』

それでジルの整体をしながら、ちょっと保険をかけておくことにした。俺が鍼をうってもらっている先生のところにも行ってもらうようにしたのね。その先生はけっこう高齢なので、疲れてくると俺が整体するのだけど、二人がかりなら、ジルの突発性難聴も良くなる可能性が更に高くなるからね。

最初の2週間が過ぎ、インターナショナル・クリニックに検査に行ったら、70パーセントは良くなっているという結果が出た。先生も大喜びしてくれたそうで、こんな短期間に奇跡的だと言ってくれたらしい。ああよかった。

でも、残りの30パーセントがそのままになってしまうケースが多いそうで、次はその30パーセントをどうするかっていう、更にハードルの高いことをしなきゃいけないのよね。

腎臓を癒すには、腎臓と関わりの深い筋肉をゆるめることになるのだけど、例えば大腰筋をゆるめるのだったら、更に他の筋肉が関係してくるし、結局ほぼ全身を施術する必要があるのよね。顎関節もそうだし、肺もそう。呼吸を楽にするのに左の肩をずっと施術するとか、まぁいろいろとね。

更に1週間が過ぎて、またクリニックに行ったら、ほぼ完治していた。ジルは「I did it」って叫んだそうで、アメリカ人の先生も「you did it」って返してくれたそうだ。アメリカぽいなぁ。

でもまぁ、念のために1週間後に再検査があるので、今の状態をキープするための整体を今はしている。アメリカ人の先生から教えてもらっていたから、心配せずに済んだのだけど、時々ジルの耳の中で「コポコポ」って音がするらしい。左右両方の耳から聞こえるそうで、これは神経が自己調整をしているのだそうです。