『シンゴの整体(46)つながっている③』

その、誰だかは知らないけれど、おいシンゴ、こっちだって引っ張ってくれているような人だかなんだか知らないけれど、そういう存在ってのはきっとたくさんいるように思う。

おいおい、また胡散臭い話になってきたぞ。

大丈夫かと思いもするけれど、俺の整体の話をするんだから、正直に書くしかないからね。

うちの田舎に戻った時のことだ。赤ちゃんの時にお宮参りをした大きな神社があって、俺たちは明神さんって呼んでいたけど、そこにお参りした。

それで車で実家の方に向かっていたのだけど、子供の頃によく遊んでいた住吉さんっていう小さな神社の前を通り過ぎようとした時だ。

おい、素通りかよ?

優しい言い方じゃなくて、チンピラがからんできた時のような口調で、誰かにすごまれたのだけど、車の中には俺しかいない。

これはもしかして、住吉さんが明神さんにゃ参ったのに、ガキの時に世話してやったうちを素通りするつもりじゃね~よな…そう言っているような気がして、慌ててお参りしに行ったことがある。

そういう感じがすることって、今でも時々あるのよね。

長い話になるのだけど、こいつは頭がおかしいとか思われそうな気がするな…。

そもそもの始まりは諏訪大社だったのよ。

諏訪大社のそばに仕事しに行ったのだけど、せっかく来たんだから諏訪大社にお参りに行こうという話になった。

そもそも諏訪大社は神社が4つもあるなんてことも、その時はじめて知ったのよ。

2つ目の神社に行ったあたりで、お茶でも飲むかという話になってカフェに入ったんだけど、まぁカフェというか、昔風の喫茶店って感じの店だったのよ。気のいいおばちゃんママがやってるって感じね。

その時の俺はロン毛にしていたのだけど、コーヒーを飲んでいたらおばちゃんママが声をかけてきた。

ねぇ、お兄さんだと思うんだけどね。

2時とか3時くらいに来る、ロン毛で青いダウンジャケット着た人だから。

ママが言うのには、昨日1人でやってきて、ずっと本を読んでいて、コーヒーをおかわりした男性から頼まれたという。

明日の午後にロン毛の青いダウンジャケットが来るから、この本を渡してくれないかって。

ほら、胡散臭い話でしょ。