映画には、決め台詞というのがあって、アメリカの映画サイトでは決め台詞ベスト10なんて企画があったりするのですけど、そうですよね「May the force be with you」とか、「I’ll be back」は誰でも知っていると思うのです。
個人的には『アポロ13』のトム・ハンクスの台詞「Houston, we have a problem」とか『バットマン』のジャック・ニコルソンの台詞「You ever dance with the devil in the pale moonlight?」が記憶に残っていますけどね。
まぁ、世界一有名な決め台詞といったら、たぶん「…Bond, James Bond」かもしれませんけど…。あ、でも「Here’s looking at you, kid」かもしれないし「Go ahead, make my day」も有名かもしれない。まぁ、それはともかく…ちょっと自分の中で忘れがたい台詞があって、それは結構生きる上で肝に銘じている警句かもしれないのですけど『ツイン・ピークス』の台詞です。
「The owls are not what they seem」訳すと、フクロウは見かけと違うなのですけど、これはかわいらしく見えるけれど、フクロウというのは猛禽類ですから、凶暴だったりする。そういう意味になります。
クーパー捜査官が夢の中で見た巨人の台詞なのですけど、3つのことを巨人はクーパーに伝えます。「笑う袋の中に男がいる」「フクロウは見かけと違う」「薬品なしで男は指さす」なのですけど、まぁ劇中でどういう意味なのかは『ツイン・ピークス』を見ていただくとして…確かにフクロウは見かけと違うということを思い知ったというか、え、そうだったのと驚いたということがあったのです。
日本で暮らすようになって、もう10年近くなりますけど、アメリカ人のクライアントに対するカウンセリングと日本人のクライアントに対するカウンセリングは、バック・グラウンドになる文化が違いますから、もちろん違いがあるわけです。それで改めて日本の文化についてたくさん本を読んだのですけど、宗教的なことについても…無宗教であると自認されている方の多い日本ですけど、神道であるとか、仏教の影響というのはあると思ったのですね。
それで寺社仏閣にずいぶん足を運びましたけど、私は日本の神社やお寺というのが、今と同じ状態でずっとそこにあったものだと思っていたのです。中沢新一の『熊楠の星の時間』を読んでいて、そうではないことを初めて知ったのですけど、一瞬思考が止まったように感じたのです。