『言葉についてのあれこれ②』

「Paris is always a good idea」

サロンで整体を担当しているシンゴが着ていたTシャツに、
その言葉がプリントされていたのだけど、
これはまぁ普通に考えたらオードリー・ヘップバーンの言葉ということになると思う。

パリに行くのって、いつだって歓迎よ!
そういう感じの意味になると思うのだけど、どうもね…そうではないらしいのよね。

そのTシャツというのは「egy boy」というブランドのものだそうで、
リトアニア出身のチームだそうだけど、ちょっと皮肉めいたデザインを得意としているらしい。だからね、これは皮肉でさ。なんでもかんでもparisって付けときゃいいんでしょ…みたいな意味らしいよ。「Hermes paris」とか「saint laurent paris」とか言うじゃない。

シンゴからそう聞いて、ああ、そういうことなのねと思ったのだけど、
確かに状況によってはそう理解できなくもないと思う。
クライアントがどういう状況で、その言葉を発したのか?なぜその言葉を選んだのか?
そのことをいつも考えている訳だから、うんうん、なんだか納得できる。
きっと駆け出しのファッションブランドのアトリエで、
parisって付けとこうよなんて会話がされたりしているのかもしれない。

状況に応じて意味が変わるというのも、言葉の大きな特徴の一つだと思うのだけど、
アメリカ英語、特にスラングにはこの手のものが本当に多くて、慣れないとビックリしてしまう。

黒人同士で、特に若くてノリのいい二人が会話をしていて、
何かと言えば「Nigga」と語尾につけるのを聞いたことがあるのだけど、
あくまでも「Nigga」であって間違っても差別語の「Nigger」ではない。
黒人同士であれば「Brother」とか「Buddy」のような意味になるそうだけど、
これを他人種が使うことはまずないだろう。

ブランドの最後にparisを付けるような使い方って日本でもあるのかなと考えてみたのだけど、宮内庁御用達というのはどうなのだろうか。同じような意味だと思うのだけど。